2010年11月30日火曜日

Red-backed Fairy-Wren (セアカオーストラリアムシクイ)

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● Red-backed Fairy-Wren:セアカオーストラリアムシクイ


 クーンババ湖畔保全地区:Coombabah Lakelands Consevation Areaで出会った。
 が、とおーい。
 黒と赤の際立った特徴があるので認識できるが、普通ならとても無理。
 いつか、もっと手近で撮ってみたいと思っている。





 図鑑から。







 Wikipediaから。






 サイトから。

鳥学通信 No. 5
http://wwwsoc.nii.ac.jp/osj/japanese/katsudo/Letter/no5/OL5.html

ダーウィンで野外調査をしています。
ハイガシラゴウシュウマルハシは12月で繁殖が終了し、今はセアカオーストラリムシクイ (Red-backed Fairy-wren)を調べています。
セアカオーストラリアムシクイは12月に来たときは一部しか繁殖に入っていなかったのが、2月に来てみるとヒナ連れは見るものの、巣は見つからず、繁殖のピークは過ぎたかなと言った感じです。
セアカオーストラリアムシクイの生息地はユーカリの疎林の林縁から草原にかかる環境です。




セアカゴウシュウムシクイ
http://seibutsu.biology.kyushu-u.ac.jp/~ecology/eguchi/rbw.htm

Red-backed Fairy-wren Malurus melanocephalus


オーストラリア東部から北部の、疎林下層のヤブや草原に棲息する。
メスは全体が灰褐色の地味な色だが、オスは繁殖期には翼が茶色、背が赤、頭や胴体が黒の羽衣になる。
その一方、雌と同じ羽衣の雄もいて、通常、劣位でヘルパーとなる。

本種の社会構造、協同繁殖に関してはまだ良くわかっていない。


 ビデオを。

http://video.google.com/videoplay?docid=792763172826288893#

http://s621.photobucket.com/albums/tt293/Muzza9/Perching%20Birds/?action=view&current=Fairy-wren-Red-backed.flv&newest=1






 なんとか動画が撮れましたが、ちょっとピントが外れている。














[◇]

















 [鳥誌page] 



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2010年11月26日金曜日

Yellow-Rumped Thornbill (コモントゲハシムシクイ)

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● Yellow-Rumped Thornbill:コモントゲハシムシクイ


 内海沿いを歩いていると、ひじょうに小さな鳥をみかける。
 動きがすばやく、地味である。
 その大きさから木にとまると、葉陰になり、色に特色がないので分かりづらくなり、写真にとってもボケてしまう。
 先日、偶然にヒヨコに会った。
 ヒヨコは恐れを知らないので木の下の方におりてきて戯れてくれる。
 シャッターを切り続けた。
 なかなか出会えないチャンス。





 みて判るようにこれといった特徴がない。
 大きさは10センチくらい。
 胸は黄色味かかった白。
 羽はうす茶色。
 この手の鳥はたくさんいる。
 悩んでいたら、これだという特徴を見つけた。
 額のマダラ模様。
 写真は見上げる形で撮るので、普通はこの部分が撮れない。
 よって不明鳥になってしまうことが多い。
 今回はいくつか確認できる写真をゲットできた。
 言い換えると、この部分がこの鳥の唯一の特徴といっていい。

 これで調べてみた。
 図鑑からでてきたのがこの鳥。












 和名は「コモントゲハシムシクイ」という。
 Wikipediaによると「トゲハシムシクイ」というのは「オーストラリア区に生息する」とある。
 トゲハシとは刺嘴であろうか。

  「ハシ」とはクチバシで「嘴」である。
 となると「トゲハシ」とは「トゲのような」ということになる。
 なら「コモン」とは。
 英語でコモンは「共通・通常」という意味だが、英文混用ということはない。
 とすると「小紋」だろう。
 「小紋刺嘴虫喰」が和名ということになるのだろうか。
 成鳥と幼鳥の違いは腹の色が大きくなるにしたがって黄色味を増していくことにあるようです。
 ちなみに「Yellow-Rumped Thornbill」は、「尻の部分が黄色い、トゲのようなクチバシ」という意味になります。

 とすると、刺の先端のようなクチバシということで「刺端」だろうか。

 ムナグロオーストラリアムシクイと並んで地球温暖化のニュースによって有名になっている鳥である。
 再録になりますが、そのニュースを載せておきます。


Gigazine 2009年08月13日 18時00分21秒
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090813_birds_shrinking/

 地球温暖化の影響で鳥も小さくなっている

 以前GIGAZINEでは温暖化の影響で年々体高も体重も小さくなっていくヒツジについてお伝えしましたが、オーストラリア国立大学の調査により鳥もサイズが小さくなっていることが明らかになりました。
 これもまた温暖化が原因だと考えられているそうです。

 詳細は以下から。

Global warming causing birds to shrink - Telegraph

 Proceedings of the Royal Society Bに発表されたオーストラリア国立大学のJanet Gardner博士らによる研究で、オーストラリアに生息する8種の鳥において、過去一世紀で約2~4%体が小さくなっていることが明らかになりました。
 原因は地球温暖化だと考えられています。

 もともと赤道に近いところに生息する鳥ほど体が小さく、高緯度に生息する鳥ほど大型な傾向(ベルクマンの法則)があります。
 恒温動物の体内での熱生産量は体重に比例し、放熱量は体表面積に比例します。
 したがって温暖な地域では放熱を十分に行う必要があるから小型 (体重当たりの体表面積が大きい)であるほうがよく、寒冷な地域では放熱を抑える必要があるから大型(体重当たりの体表面積が小さい)のほうが有利となります。
 この法則に従い、温暖化の影響で高緯度の鳥も小型化してきているということのようです。

 「わたしたちの調査結果は、分布地域にもとづく鳥の大きさが変わってきていることを示す初めてのものです。今のシドニーの鳥は、昔なら緯度にして7度赤道に近いブリスベンで見られた大きさとなっています」
と語るGardner博士。

 今回の研究では1860年から2001年にかけての約140年間に採集された517羽の標本を調査し、鳥の体の大きさの指標となる羽根の長さが1.8%~3.6%短くなっていることが確認されました。

 小型化が最も顕著だったのはムナグロオーストラリアムシクイで、その次がYellow-rumped Thornbill(コモントゲハシムシクイ)だったそうです。
 Gardner博士によると環境の変化による栄養摂取の変化が小型化につながったという証拠は見られなかったとのこと。


● ムナグロオーストラリアムシクイ


● コモントゲハシムシクイ

 興味深いことに、今回判明した鳥の小型化はショウジョウバエ科の数種に見られる小型化現象にそっくりだったそうです。
 ショウジョウバエは鳥の餌ともなります。

 「高緯度(南極に近い方)の地域に生息するショウジョウバが、20年前にもっと北(赤道に近い方)に生息していたショウジョウバエの遺伝子構成を持つようになっています。地球温暖化を考えると、理にかなったことです」
とGardner博士は語っています。

 今回の研究結果は最近発表されたソアイヒツジが過去24年間に5%小型化しているという調査結果や魚の平均重量が過去20~30年間に半分も減っているという報告などと合わせ、温暖化が動物界に重大な影響を及ぼす可能性があるという科学者たちの見方を裏付けるものとなっています。



 ビデオをどうぞ。



 小さな鳥ですので、分かりにくいです。
 なを最後の方に聞こえる音は、飛び立とうとしている水上飛行機ターガーモスの爆音です。
 動画の編集はmoviemakerを使っていますが、この手の画像(松葉が縦縞となって画面全体に流れている)をムービーメーカーにかけると画面が劣化して見るに耐えなくなってしまいますので、爆音部分もそのまま載せました。


 youtubeにグッドな動画を載せてあります。
 googleの動画項目で調べましたがあまりいい動画は載っていません。
 よって,このyoutubeに載せた動画は良好のレベルに入ると思います。
 蛇足で述べますと、動画それ自体が最近のデジタル対応カメラの発展に依存しているせいか、ここオーストラリアの野鳥についてはあまりにも少なすぎるという状況です。
 コンパクトデジカメは、ここでは光学望遠で3倍4倍5倍が普通。
 10倍というのは量販店では売っていない。
 5倍だとズーム筒が2本、10倍だと3本になる。
 それだけ機構が複雑になり、ソフトも煩雑になる。
 実際、私のデジカメも3回トラブルを起こしている。
 カメラの故障というのは、人生の中でこのカメラがはじめて。
 うち1回は日本に送って直してもらった。
 他の2回はまれに出るソフトエラーのようである。
 だから、10倍望遠デジカメは量販店では扱わない。
 値段の割にリスクが高いからである。
 修理ができないせいである。

 野生の鳥を撮ろうと思ったら10倍はいる。
 一眼レフなら造作もないが、そんなものを持って出歩くのはプロのみ。
 よって、野鳥の動画は圧倒的に少なくなる。
 例えば「ニジハバト」などは私の撮ったコンデジの動画が最高部類に属してしまうほどです。
 それと比べると日本はカメラ大国ですので、すばらしいものがたくさんあります。
 なにしろアマチアが最高機材で撮ったと思われる動画が検索するとズラリと並びますから。
 ここは、遅れています。
 しかたがないことですが。


コモントゲハシムシクイ
http://www.youtube.com/watch?v=RhRr9KkWrvY
http://www.youtube.com/watch?v=wEcegF4EhD4





● コモントゲハシムシクイのヒヨコたち

 歩く姿を載せておきます。



 なをこの鳥、これまで見かけた記憶がありません。
 今年急激に増えたのではないでしょうか。
 このところ異常気象が続いていますが、とくに今年はちょっと鳥世界がおかしいです。



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 いい写真とビデオが撮れましたので載せておきます。















YACHO動画 コモントゲハシムシクイ








 [鳥誌page] 



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2010年11月13日土曜日

灰色インコ(不明鳥)

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● 不明鳥:灰色インコ


 フロードウオーター(内海)を散歩していたら、灰色のインコが来て横の木に止まった。
 早速、カメラを向ける。
 十分は写真と動画を撮らしてくれた。
 が、帰って調べてみるとこれが図鑑に見当たらない。
 クチバシの形からして明らかにインコ系。
 図鑑に載っているインコは約60鳥ほど。
 数ページに過ぎない。
 じっくりみて見過ごすことはないのだが。
 特徴を挙げてみる。

1.クチバシは赤
2.羽はグレーで腹は羽より薄いグレー
3.目の周りにリングがある。
4.大きさは30cm以上
 尻尾までふくめると60cmはある
5.尻尾が槍先のように尖っている

 といった、ところである。
 撮った写真でピントの合っていたものはすべて挙げておきます。
 


















また、ビデオを2本載せておきます。




● 不明鳥:インコ

 全姿が映っていて、大きな鳥で、特徴もはっきりしているというのに見つからないというのは何か変だ。
 判明しましたら、タイトルを書き換えます。



[◇]
 ちょっと悩んでいる。
 図鑑にないのである。
 これだけの大きな鳥、特徴もバッチリあるし、なにしろビデオまで撮ってあるという鳥。
 が、どう図鑑をあたってみても載っていない。
 こんなことあるだろうか。
 もしかして外来鳥だろうか。
 つまり外国から輸入されて、それが逃げ出したとか。
 でもここは生態系保護のため外来種の輸入が厳しく厳禁されている国である。
 持ち込めるとしたら、動物園のようなところしかない。
 まさか、動物園から逃げ出したということはないだろう。
 考えられるのは船である。
 ヨットやクルーザーの出入りが激しい国であり、外国でこの鳥を購入し、入国検閲を受ける前に沖で離して、それが陸に紛れ込んできたとか。
 これは想像に過ぎないのだが。
 いつか図書館にいった時にでも、違う図鑑を検索してみようと思っている。




 [鳥誌page] 



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2010年11月2日火曜日

じみな鳥(不明鳥-2)

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 ちょっと遠かった。
 2枚撮ったところで飛び立たれた。
 ちょっとこれだけでは。
 2羽でいたのでつがいだろう。
 ということは幼鳥ではないことになる。
 遠いので20cm以上であることは間違いない。
 喉と胸は白。
 くちばしはズングリのようだ。
 目玉はデカく、周りにリングがある。
 羽は茶系統で、白が入っている。
 が、遠目では地味な鳥に見えた。
 ざっと図鑑をめくったが、らしい鳥はいない。
 じっくり調べないと判らないようだ。

 


 [鳥誌page] 



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Grey Currawong (ハイイロフエガラス)

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● ハイイロフエガラス:Grey Currawong


 今年、異常にふえた鳥が2つある。
 一つはインド・ハッカ、もう一つはパイド・カラウオン。
 カラオンはカラス(ミナミガラス)のテリトリーに進出しており、カラスは追い出されている。
 この鳥、マグパイ系なので非常に声がいい。
 カラスのカーカーより陽気であり、声については申し分ない。
 カラスの異常繁殖よりは歓迎できる。
 近寄ると逃げるが、今年はぎりぎりのところまで近づけるので写真は自由にとれるようになった。





 
 クリーク沿いの木にカラウオンが数羽止まっていた。
 その反対の民家の木に一羽いた。
 どういうわけか一羽だけ。
 見た目では、濃茶にみえる。
 陽の光でそう見えるのかと思ったが、そうでもない。
 ということは、まだ幼鳥でこれから黒くなっていくということだろうか。
 でもそれなら親鳥が来ていいはずだが、全く単独に一羽。
 それに幼鳥なら動きがチョコマカするが、この鳥は明らかに親鳥の動作。
 とりあえず写真を撮っておく。
 そしてさらに近づいていった。
 逃げない。
 悠然としたものである。
 色は光の反射などではなく、明らかに濃茶。
 ということは、別のカラウオンの種類になる。






 図鑑を見てみた。
 この鳥である。
 「Grey Currawong:gurei:グレイカラウオン」
 和名「ハイイロフエガラス」








 が、である。
 このあたりはこの鳥の生息域ではない。
 さらに悪いことに、図鑑に出ている濃茶のよく似た鳥は西オーストラリアに生息するものだという。
 それが、東海岸にいるとはどういうことだろう。
















 Wikipediaを見てみる。
 地図が載っている。




 話によると亜種が6つあるという。
 図鑑に載っていたのは赤いエリアのカラウオンである。
 右側の緑のエリアはこ種が混在しているところだという。
 ということは現在、その生息域は北上拡大をつづけており、今はすでにNSW州を越えてQLD州に入っているということになってくる。













 [鳥誌page] 



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